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楽天・荘司康誠 このままでは終われない/後半戦のキーマン

 

後半戦開幕カードで約2カ月ぶりの一軍登板。次は白星をつかむ


 打たれる度に顔をゆがめた。5月22日のソフトバンク戦(京セラドーム)。先発した荘司康誠が集中砲火を浴びた。初回、先頭打者は打ち取ったが、連打を浴びて一死一、三塁。四番の山川穂高に153キロ直球を左翼席へ運ばれ、3ランを被弾。その後、続く近藤健介に四球。栗原陵矢に二塁打を浴びたあと、中村晃に四球を与え一死満塁としたところで降板した。

 一死しか奪えなかったのはもちろん自己ワースト。プロ最短となる屈辱のKO劇で今季4敗目を喫した右腕は「振り返ることもないですけど。自分の実力不足、それだけです」と言葉を絞り出すように語った。

 翌23日に出場選手登録を抹消され、6月は二軍での調整が続いた。前半戦終了時点での一軍成績は6試合登板で1勝4敗、防御率7.36。今季は先発ローテーションの柱として活躍を期待されたが、前半は思うような結果を残せなかった。振り返ると、不調は春先から続いていた。4月中旬、発熱のため出場選手登録を抹消。熱が下がったあとも、5月には体調不良で体重が下がるなど調子を崩した。

 後半戦開幕カードの3戦目、7月28日のロッテ戦(楽天モバイル)で約2カ月ぶりの一軍マウンドへ。復帰戦は4回を投げ2失点。四球を6つ与え、球数95球での降板に「久しぶりの一軍での登板で、このような結果になって申し訳ないです。声援もたくさんいただいていたので、それを力にいいピッチングをしたかったです」と唇をかんだ。

 昨季は1年目ながら19試合登板で5勝3敗、防御率3.36。150キロ超の直球にスプリットと素晴らしい球は持っているだけに、このままでは終われない。チームを指揮する今江敏晃監督は「結果とかではなくて、彼は自分の球を投げられたら一軍でもビシッと抑えられる。そういう目で見ています」と右腕に大きな期待をかけている。本来の自分を取り戻し、後半戦こそチームに貢献する。

写真=BBM
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