
チームの躍進を支えているブルペンエースの初タイトルも見えてきた
開幕から
日本ハムのブルペンを支えてきた
河野竜生がプロ初タイトルへ向けて順調に歩を進めている。9月3日時点でホールド数と救援勝利数を合計した32ホールドポイントはリーグトップ。この部門でリードを保ったままシーズンを終えれば、最優秀中継ぎを受賞できる。球団では2021年の
堀瑞輝以来の同タイトル奪取が現実味を帯びてきた。
本格的にリリーフ転向して2年目の今季は、開幕当初から勝利の方程式の一員として力を発揮してきた。直球、カットボールのキレが抜群で、試合の終盤をがっちりと締めてきた。昨季は自身初の50試合登板をクリアしたが、その疲れを感じさせずに今季もフル回転。
新庄剛志監督からも「河野君がめちゃくちゃいい」と信頼されて数字を伸ばしてきた。
気持ちの切り替えのうまさが、厳しい場面でも好投を続けられる要因の1つだ。「反省はするが、次の試合で同じことをしなければと考えるので、どん底まで落ち込むことはない」。今季も5月19日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)でサヨナラ弾を浴びたが、同22日
オリックス戦(エスコンF)では好救援で今季1勝目をマーク。失敗を引きずり過ぎないメンタル面の強さも躍進の原動力だ。
19年ドラフト1位左腕は苦しみながらもセットアッパーとして一軍での居場所を見つけた。「抑えて当たり前と思われるポジション。難しさはある分、抑えることによってチームの勝利に貢献できる。すごく充実感は感じている」。疲労もたまるシーズン終盤を乗り切れれば、チームは6年ぶりのCS進出、そして自身初タイトルにも手が届く。
写真=BBM