ハーラーダービーに菅野智之が帰ってきた。背番号18が積み重ねる白星が、4年ぶりのリーグ優勝を目指すチームを押し上げている。
「自分1人の力じゃ勝てないので、いろんな人に感謝を伝えたい。うれしいですけど、最低15勝という目標がある。そこまで頑張ります」
9月1日の
阪神戦(甲子園)で7回1失点の好投を見せ、この時点で両リーグ単独トップとなる13勝目、黒星はわずか2つ。球団では最年長で自身4年ぶり4度目となる最多勝のタイトル獲得が、現実味を帯びてきた。
昨季は右肘の張りで出遅れた影響もあり、キャリア最低の4勝(8敗)にとどまった。シーズンオフのハワイ自主トレでは走り込み、フォームを見直した。
戸郷翔征、
山崎伊織ら20代前半の投手が台頭してきた先発ローテに食い込むと、開幕から無傷の5連勝を飾った。
「今年ダメだったら、ということを考えて、もう野球人生も長くないなと思った。野球人生を懸けて今年1年に臨んでいる」
7月28日の
DeNA戦(横浜)は夏場の屋外マウンドにも負けず3年ぶりに完封勝利。次の登板となった8月4日の
ヤクルト戦(東京ドーム)では7回1失点で自身9度目の2ケタ勝利に到達した。
阿部慎之助監督は「今年に懸ける思いをすごく感じる。貯金できる投手は素晴らしい」と大絶賛だ。復活した右腕には最多勝のみならず、MVPとの呼び声も出始めた。
写真=BBM