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主に下位を打つことが多い古賀。自分の役割をしっかりと把握している
チームの命運を握る新主砲として大きな期待を寄せられていた
ヘスス・アギラー、
フランチー・コルデロの両外国人が、故障や不振で早々にファーム調整となってしまったことなどもあり、クリーンアップが固められなかった今季の
西武。現有戦力の中で最も状態の良い選手を四番に据えて対応せざるを得ず、本来であれば固定したかったはずの打順はいわば日替わりとも言える状態を強いられた。
その状況下で、唯一というべく定位置化されていたのが
古賀悠斗だ。捕手というポジション的なセオリーからも、9月17日現在(以下同)、先発出場82試合中53試合が八番。それ以外でも七番が6試合、九番が23試合と、いずれも下位打線での起用となっている。
古賀本人も自身がその打順に置かれ、求められている役割をしっかりと認識している。
「一番意識しているのは、バントやエンドランなど小技系のサインが出たときには絶対に決めることです。僕は打つタイプではないので、まずはそういうことで信頼を勝ち得ていかないといけないと思っていて。打ち続けないと『こいつ打つな』という信頼は得られない。しかも、走者なしで打っていても、チャンスで全然打てなければ打つ評価というのは下がってしまいます。それよりも、僕は『絶対こいつはバントを決められる』とか、そういう信頼を得られるようにしたい」
実際、犠打数はチーム2位の12個を決めており、成功率は.923を誇る。8月は打率.333、出塁率.417とバットも好調だった。今後、チームとして粘り強い打線を築いていく上でも、貴重な存在だ。
写真=BBM