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楽天・村林一輝 はっきりと放つ存在感/下位打線で光る

 

8年目にして初めて規定打席に到達した村林


 まさに執念の一打った。9月2日のオリックス戦(楽天モバイル)。1点を追う5回無死一塁。八番・遊撃で先発した村林一輝へ送られたサインはバントだった。2球連続で失敗し追い込まれたが、このままでは終わらなかった。3球ファウルで粘るなどカウント2-2となった8球目。内角直球にバットを折られながらも左前へしぶとく運んだ。無死一、二塁と好機を広げると、この回一挙4点の足がかりとなった。

 3月29日の西武との開幕カード(楽天モバイル)は九番・遊撃で先発。春以降は二番での先発が多かったが、7月以降は八番を任されることが増えた。どの打順でもバットを短く持って自らの役割を全うするべく、全力を尽くす。同日のオリックス戦では1点を追う2回に左犠飛を放つなど、下位打線でも役目を果たしてきた。

 9月15日時点(以下同)で22犠打はリーグトップタイ。つなぎに徹してきたが、打撃でも確かな結果を残している。すでに自己最多の110安打を放ち打率.241。キャリアハイの43打点は、チーム4位の数字だ。新人から22年までの計7シーズンで、通算17安打だった非力な印象はもうない。特にこの数年、地道に続けてきた筋力トレーニングに加えて、タイミングの取り方に工夫をこらすなどの練習の成果が実を結びつつある。

 守備力はチーム随一。さらに守備中は投手へのこまめな声掛けも欠かさない。下位打線でも、はっきりと放つ存在感。正遊撃手を射止めた26歳は、チームに欠かせない選手に成長した。

写真=BBM
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