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オリックス・若月健矢 「勝つために何でもやる」全力プレーの代償も/下位打線で光る

 


 パンチ力が持ち味で、右方向への飛距離も抜群。下位打線で起用されても“恐怖”を感じる打者だ。若月健矢は捕手としてだけでなく、打撃でもチームの勝利に貢献してきた。

 昨季は自身初のゴールデン・グラブ賞を受賞し「すごくうれしかったです。僕は守備で生きていかないといけないと思っていたので。評価していただいたのは、やっぱりうれしいことですね」と、28歳は優しく微笑んでいた。

 課題であった打撃面でも成長を実感。138試合に出場した2019年は打率.178にとどまったが、20年には75試合で.240。昨季、FAで日本ハムに移籍した伏見寅威と併用だった21年は、うまくリズムをつかむことができず、68試合で打率.214だったが、起用法やシーズンの流れを理解した22年は同じく68試合の出場で打率.281を記録し、充実感を漂わせていた。

 23年は96試合の出場で打率.255。今季は9月16日終了時点で打率.191と苦しむが、1日の楽天戦(楽天モバイル)では、同点に追いついた直後の6回二死二塁から左前へ適時打を放ち、勝利に貢献。7月21日の楽天戦(ほっと神戸)以来となる打点に、塁上では笑顔がこぼれていた。

 同学年の森友哉の存在は「すごく頼もしいですよ」と笑顔で語る。“ライバル”であると同時に“仲間”であり、相手チームの情報共有や、チームの投手の状態把握などを伝え合っている。

「勝つために何でもやりますよ。逃げちゃいけないんでね」

 背番号2の存在の大きさは増すばかり。森が9月4日に左肩腱板損傷で離脱する中、奮闘を続けて本塁を守り続けた。だが、そんな全力プレーの代償で負傷。13日のソフトバンク戦(京セラドーム)、8回に本塁上のクロスプレーで栗原陵矢と交錯すると、大阪市内の病院を受診し、脳しんとうと診断を受けて翌14日に特例措置による登録抹消で離脱を余儀なくされた。今後はNPBが定めた復帰プログラムに沿って復帰を目指していく。

写真=BBM
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