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DeNA・山崎康晃 いつ何時でも「チームの力になれるのであれば」/中継ぎ投手の戦い

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通算231セーブの経験は結果だけでなく、「教え」としても大きな価値を持つ


 どんな状況でも、チームのために腕を振る。長くクローザーを担ってきた山崎康晃は今季、主に中継ぎとして場面を問わずブルペン陣を支えてきた。

 中でも象徴的だった試合がある。7月27日の巨人戦(横浜)。先発予定だった平良拳太郎が試合前練習で腰の違和感を訴え登板を回避する中で、代役を引き受けた山崎が先発マウンドに上がった。これが、プロ10年目、通算531試合目の登板で初の先発。「チームのために準備した」と難しい役目を回またぎの2回1失点でつなぎ、チームのピンチを救った。

 2015年に亜大からドラフト1位で入団。1年目から37セーブの新人記録を樹立した。18、19年には2年連続で最多セーブに輝き、22年には佐々木主浩を上回る最年少で通算200セーブを達成した(当時)。誰よりもプライドを持ってしびれる9回のマウンドに上がってきた右腕が、個人的な悔しさは胸の奥にしまい、チームに献身してきた。

 22年オフにはファンフェスティバルで涙ながらに残留を宣言。6年の大型契約を結んだ。日本代表にも選出されてきた実績はもちろん、毎年のように登板数を重ねても故障離脱のないタフさ。そして、長くベイスターズのブルペンをその姿勢で、時には言葉で支えてきた経験は、チームに欠かすことのできない戦力だ。「僕ができることは少ないと思いますけど、チームの力になれるのであればどこのポジションでもやるつもり」と語る。

 現在は今季2度目の抹消を受け二軍調整中の右腕だがすべては強く願う、横浜の地での歓喜を目指して――。場所を選ぶことなく貢献を続けていく。

写真=BBM

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