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楽天・早川隆久 初の2ケタ勝利は通過点/エースの意地

 

開幕投手でスタートした今季。風格も増してきた


 9月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)。2点リードで迎えた9回二死一塁。ソトに左中間への適時二塁打を浴びた早川隆久は、ガックリと肩を落とした。今季2度目の完封まであとアウト一つとしながら、ここで無念の降板。チームは2対1で勝利しプロ4年目で初めて10勝に到達したが「悔しさが、ちょっと強い」と唇をかんだ。

 ただ、勝利投手にふさわしい投球だった。8回2/3を投げ4安打1失点。敵地特有の強風を考慮し、直球は内角高めを突き、変化球は丁寧に低めに投じた。勝負球にもカウント球にもなったのが、カーブとスライダー。「風をうまく利用して、全体的に数値以上の変化量を出すことができた」とうなずいた。

 球団創設20年目で、楽天の左腕が2ケタ勝利をマークしたのは早川が初めて。9月29日の時点でチームトップの11勝(5敗)をマークしている早川が、エース格であることは間違いない。同日時点で勝利数は1位に1勝差のリーグ3位タイ。防御率は2.37で同3位。勝率は.688で同3位。初めて開幕投手の大役も任された左腕が、リーグ屈指の投手へと成長している。

 今江敏晃監督は「10勝できる選手だと思って、開幕投手もお願いした。これは一つの大きな価値だと思う」とたたえた上で「まだ全然、エースとは言えない」と注文をつけることも忘れなかった。高い評価を与えているからこそ、さらなる成長を期待した。成長著しい左腕は、名実ともに楽天のエースとなるべく、まだまだ研鑽を続けて行く。

写真=BBM
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