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中日・高橋宏斗 4年目にして真のエースへ/エースの意地

 


 完全にエースになった。高橋宏斗にとって4年目の今シーズンは大躍進の年になった。投球フォームの修正のため開幕を二軍で迎えたが、4月下旬に昇格すると一気に羽ばたいた。

「最初に結果を残せたことがすべてですね。本当にそこですね」。一軍初登板となった4月28日の広島戦(バンテリン)。WBCの決勝でアメリカ代表のトラウトから三振を奪うなど大舞台でも臆することなく自分の力を発揮できる右腕だが、このときばかりは足が震えるほど緊張したという。

「やられたらまた二軍に戻ることになる。その思いで投げました」と、結果は7回を3安打無失点の好投。最初の関門を突破すると、順調に白星を重ねていった。

 8月13日のヤクルト戦(神宮)で自身初の2ケタ勝利を達成し、防御率も夏場まで0点台をキープ。被本塁打も9月10日のヤクルト戦(バンテリン)で村上宗隆に打たれるまでは0。被本塁打1のまま規定投球回に達し、2リーグ分立後では最少記録となった。

 9月29日の広島戦(バンテリン)で残り2回と3分の1に迫っていた規定投球回に到達。3回6安打2失点の降板となったが、防御率は1.38で最優秀防御率のタイトルは、ほぼ確定した。

 さらに杉下茂が1954年に記録した球団シーズン最高防御率1.39(2リーグ分立以降)も抜き去った。もはや誰もが認めるドラゴンズのエース。さらなる飛躍に期待したい。

※本文中の高橋の高は、すべて「はしごだか」

写真=BBM
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