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広島・矢野雅哉 指揮官は「一番成長したんじゃないか」進化を遂げ来季は真価を示す/飛躍のシーズン

 

大卒4年目でチームに欠かせない存在となった矢野


 遠く及ばないと思われていたレギュラーを勝ち取ったどころか、球界屈指の遊撃手という呼び声を勝ち取るまでに成長を遂げた。チームは歴史的失速で4位に沈んだものの、終盤までは首位をキープ。その戦いを支えた投手陣を含めたディフェンス力において、矢野雅哉の存在が大きかった。

 昨季まで3年間でわずか53試合だったスタメンは、今季127試合を数えた。新井貴浩監督は「今年の野球の中で、彼は一番成長したんじゃないか。目に見えない部分でも、ヒットをアウトにしてくれるプレーもたくさんあった。守りで投手を助けてくれた彼が自分でつかんだポジションだと思う」と評価する。投高打低の傾向が顕著だった今季を振り返っても、チームで一番欠かせなかったと言えるほどだ。

 3年間で計35安打だった打撃面の成長も目覚ましかった。自身初の規定打席到達で112安打、打率.260。それだけでも十分に爪痕を残したと言えるが、矢野の持ち味が最大限に表れたのが、9月22日の中日戦(バンテリン)。涌井秀章を相手にプロ野球史上最多の1打席22球を投じさせた末に四球を選んだ。1球1球に食らいつく打席を積み重ねた結果、9月以降は打率.314とシーズン終盤まで右肩上がり。得点圏打率も昨季の.042から.305に上昇。勝負強さも光った。

 12月16日に26歳を迎える。「僕ら若い選手がもっともっと、どんどんアピールするつもりでやっていったらチームは、もっと上を向いて良くなっていくと思う」。今季は進化を遂げ、来季は真価を示す。

写真=BBM
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