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日本ハム・伏見寅威 夏以降の快進撃を支えたベテラン/陰のチームMVP

 

7月13日のソフトバンク戦でファウルチップを素手でキャッチし笑顔でゲームセット



 存在感はシーズンを追うごとに増していった。伏見寅威が後半戦にスタメンマスクをかぶった28試合でチームは19勝9敗。貯金10を生み出したが、そのうちの4つは伊藤大海とのコンビ。球宴明けは8試合で伊藤と先発バッテリーを組んで6勝2敗だった。エースを波に乗らせて、チーム自体も勢いが増し、シーズン2位フィニッシュの原動力となった。

 前半戦は今季台頭した田宮裕涼にスタメンマスクを譲る機会が多かった。オリックス時代からの盟友、山崎福也との“さちとら”コンビや加藤貴之とのコンビに限られた中で、気持ちは常に前向いていた。

「試合に毎日出るつもりで準備はしていますけど、そこは監督の決めるところ。行けと言われたところでしっかり力を発揮できるように準備するだけまだまだ長いので、シーズンは。これからが大事なので」

 6月下旬に二軍再調整の時期もあったが、勝負の夏を迎えると出番が増えた。潮目が変わったのは7月13日のソフトバンク戦(エスコンF)。1点リードの9回。最後の打者がファウルチップしたボールをはじきかけたが、宙に浮いたところを素手キャッチでゲームセット。“神の右手”でつかんだ勝利だった。その翌日もエース・伊藤を好リードするなどチームは連勝で勝率5割に復帰。夏場の快進撃につながる起点をつくった。

 FA加入2年目。「去年はCSに出場できなくて、今年なんとかっていう思いでプレーした結果、みんなの力もあって2位で終えられた」。昨季の最下位から2位躍進は、経験豊富な伏見抜きに語れない。

写真=BBM
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