与えられた役割を懸命にこなした島田
連覇を狙ったチームを下支えしたのが
島田海吏だ。昨シーズンを振り返って「プロ入りして一番悔しいシーズンだった」というほどだから心に期するものがあった2024年シーズンだった。
春季キャンプは二軍スタートだった。開幕一軍入りを果たすも、すぐにファーム行きを命ぜられたが、5月下旬に再昇格を果たして貢献した。結局は62試合に出場しながら大事な役割をこなした。
最後まで「今年ダメだったら終わるぐらいの気持ちでプレーしたかった」といかなる起用法でも全力プレーを心掛けた。代走、代打、守備固めにも入って、まさにユーティリティーだった。
守備位置はレフト、ライト、打順も一番、三番、六番、八番とめまぐるしく変わった。時に
近本光司の代わりでトップバッターを務めたかと思えば、下位でバスターを決めてチャンスを広げた。
あえてもっとも脚光を浴びたシーンを挙げるとすれば、7月2日の
広島戦(マツダス広島)だろう。0対0の延長10回一死一塁でエンドランを成功させて均衡を破った場面だ。
春先に
岡田彰布監督からリストの使い方を教わった島田は「凡打になっても強い打球を打てるようにしないといけない」とその言葉を忠実に守った結果だった。
周囲からは出塁することを求められても、島田は「点が入らないと意味がない」とつながりを強調する。下からの突き上げを振り切って貴重な存在をアピールした。
写真=BBM