シーズン終了から9日後の10月15日、清水達也の姿はナゴヤ球場のブルペンにあった。ゆったりと足をあげ、1球1球味わうように10球。白球は糸を引きながらミットに吸い込まれていった。
「まだ軽くですけど、普通に投げられました」。11月に開催されるプレミア12に出場する日本代表に選出された。「代表に恥じぬように精いっぱいやっていきたい」。次の戦いを見据えて動き出している。
鉄壁のドラゴンズブルペン陣はタイトルを獲得したマルティネス、松山の名前が先行しがちだ。しかし清水の今季の数字を見る限り、彼らに遜色ない働きをしたことは明確だろう。
チーム最多タイの60試合に登板して3勝1敗、36ホールド、1セーブ、防御率1.40。3年連続で勝ちパターンに名を連ね、いずれも登板試合は50を超えた。
「一番はケガをせずに投げ抜くことだと思うので、これからもより負担を少ないフォームづくりと、長く投げ続ける体力づくりに取り組んでいきたい。この秋は来季以降に向けて鍛える期間。疲労を取りながら、来季に向かっていきたい」
そしてチームを支えてきた右腕には夢がある。2026年のWBC出場だ。「あこがれがあります。子どものときからずっと見ていたので。そこに向けてアピールしたいという気持ちもあります」。
09年の決勝・韓国戦の
イチローの決勝打が今でも忘れられない。「めちゃくちゃ記憶に残っています。自分もそういう場所でプレーできる選手になりたい」。侍ジャパンに欠かせないピースになり得る存在だ。
写真=BBM