力で出番をつかみ取った。高卒4年目の中山礼都はシーズン終盤に評価を急上昇させた。
「本当に苦しい思いをたくさんしました。二軍に落ちても落ち込まずに、桑田(
桑田真澄)二軍監督や(二軍内野守備兼走塁コーチの)脇谷(
脇谷亮太)さんらが背中を押してくださる言葉を掛けてくれたので、もう一回はい上がってやるという気持ちを持てました」
昨季は“ポスト
坂本勇人”として遊撃の座を争うも
門脇誠に奪われた。今季も前半戦は14打数1安打と苦しみ、1年目の
泉口友汰に取って代わられ二軍暮らしが続いた。だが後半戦は30打数13安打の打率.433と打ちまくった。ティファニーとのコラボユニフォーム着用で注目を浴びた9月7日の
DeNA戦(東京ドーム)では、1点を追う9回二死一、二塁の場面で代打起用され、土壇場で試合を振り出しに戻す右前適時打を放った。
そこから代打で結果を残し、クライマックスシリーズ(CS)では左肋骨の骨折のため欠場となった吉川の代役を任された。
10月20日のCSファイナルステージ第5戦では5回にプロ初本塁打となる決勝ソロを、名前と同じ“ライト”へ放り込んだ。入団1年目から見てきた
阿部慎之助監督は「あんな当たりは初めて見た」と喜び、「打席が少ない中で数字を残した。一軍での成功体験が大きいんじゃないかな」と成長を認めている。今秋のドラフト会議では上位3人が内野手の指名。競争はさらに激化するが、レギュラー奪取は遠い目標ではない。
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