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中日・小笠原慎之介 「投げる」ことが大前提/わがチームの“〇〇王”

 


 大活躍を見せた若きエースの高橋宏斗。しかし、先発登板数もイニング数も小笠原慎之介のほうが上だった。24試合で144イニング1/3。4年連続での規定投球回到達はリーグでは巨人戸郷翔征と並んで最長。今年も元気にマウンドに立ち続けた。

「僕としてはまず投げる、というところですね。シーズンは長いですし、1年を通したら体調の変化もあります。その時々の自分に対してどうアプローチできるのか。勝ち負けはありますが、まず任されたところを投げる。白星を積み重ねるのも、もちろん大事。でもその前にまず投げるということです」

 変化は細胞学をかじったところか。時代はスマホ全盛期。探ると人体を詳細に明示するアプリに出合う。肩肘をはじめ、どのポジションがどんな役割を持つ関節があって、神経がどう通っているのか。それを知ることがリカバリーにつながった。

「ケガで離脱、という前に、体はいろんなサインを出しているんです。張りもそのひとつです。体を知ることで、張りの原因を理解できます。なぜ張ったのか、どうしたら張りは取り除けるのか。極端なことを言えば、放置したらどうなるのか、素人でも勉強すれば分かるようになることがあります」

 先発投手としての務めを果たし続けてきた。だからこそ、球団からポスティングシステムでのメジャー挑戦を認められた。

 1月下旬にも新天地が決まるかもしれない。たとえ交渉が不調に終わったとしても、竜の大事な戦力として来季は5年連続規定投球回を狙う。まず元気に投げる。その大切さを小笠原が教えてくれる。

写真=BBM
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