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かつての最優秀中継ぎ右腕が今季こそ、復活を誓う
今年も
堀瑞輝は大先輩と一緒にいっぱい走っていた。
宮西尚生との合同自主トレは6年目。昨年に続いて宮西の地元兵庫で
山本晃大、
ソフトバンク長谷川威展と4人で肉体を追い込んだ。「毎年のように、しんどいです。常に寝ても回復しきっていない状態です」。そう言って苦笑いしながらも、充実のトレーニングを積み重ねた。
直近3年間は、苦しいシーズンが続いている。2022年は41試合に登板したが、シーズン途中から左肩痛に悩まされた。23年も左肩の状態は安定せず、一軍登板はわずか5試合にとどまった。昨季は左肩痛も癒えたが、一軍では10試合登板のみで二軍が主戦場だっだ。「ここ数年、思い通りにシーズンを過ごせていない」と悔しさだけが募る日々だった。
今季こそ、復活を誓う。21年シーズンは60試合登板で42ホールドポイントを挙げて最優秀中継ぎ投手に輝いた実績の持ち主は「肩も何の問題もなくしっかり投げられるので、今年こそは開幕一軍を狙って一軍でどんどん投げたい」。状態が万全で自信を持って自分のボールを投げ込めば、タイトル獲得時のようにフル回転する自信はある。
師事する宮西は39歳シーズンの昨季、チェンジアップを習得して大復活を遂げた。堀も昨季から投げ始めたフォークの精度を上げて、投球の幅を広げて勝負する。「今年は27歳になる年。もっとしっかりやらないといけないし、40歳になる人に負けていちゃいけない」。17年ドライチ左腕は背中を追い続ける大先輩以上のカムバック劇を見せる。
写真=BBM