2022年の盗塁王が最後までシーズンを駆け抜ける。
高部瑛斗は昨季76試合に出場し、260打数78安打、1本塁打、23打点、打率.300。9月に左手首負傷で離脱すると、シーズン中の復帰はかなわないと見込み、同月末には古傷の右膝手術も敢行。負傷した左手首は、のちに全治2カ月の剥離(はくり)骨折だったことも判明した。
「僕のプロ野球人生は、ほぼケガで前に進めない時間が多い。今年は覚悟を持ち、チームを優勝させられるように。そのピースの一番強い存在になりたい。人間としても選手としても、2段階、3段階とレベルアップしたいですね」
右肩手術の影響で、昨季も2年ぶりに復帰したばかりだった。
シーズン中盤では、7月に21試合出場、打率.450、30安打、1本塁打、11打点と大暴れで月間MVPを獲得。波に乗ってきた矢先だっただけに、シーズン途中の離脱で悔しさの残る1年となったが、すでに気持ちは前を向いている。
昨年12月時点で経過も良好で、「ほぼ動きには制限なく、100%で練習できている」と、順調をアピール。オフは本拠地・ZOZOマリンスタジアムで自主トレに励み、春季キャンプも石垣島メンバーとして始まった。
不安要素を取り除き、迎える今季。目指すは最多安打、首位打者、そして2度目の盗塁王だ。
「タイトルを狙える位置につけるように、ケガなくやりたい。大事なのはケガしないこと。フルでシーズンを戦い、タイトルを獲りたい」
走攻守の三拍子がそろうロッテの韋駄天が、グラウンドを駆け回る。
写真=川口洋邦