圧倒的な直球を持つ大勢の課題は、ただひとつと言っていい。プロ3年間で80セーブを記録している右腕だが、故障で2年目以降は離脱した時期があった。
「何かがあるから壊れているんだと思います。年齢的に脂が乗ってきたときに主力選手としてやれるように、若いうちからトレーニングしていかないといけない」
昨季は絶対的守護神として君臨。リーグ優勝を決めた試合では胴上げ投手になるなど、43試合に登板して29セーブ、防御率0.88と圧巻の成績を残した。だが、5月3日の
阪神戦(甲子園)で登板中に右肩の違和感を訴え、約2カ月間チームを離れることになった。守護神が不在だった期間はチームも苦しんだ。
昨年12月はカブスで1年目から15勝を挙げた
今永昇太の自主トレに師事。「シーズン後半の体力がなくなってきたときに、どうしてもフォームが崩れる。崩れないための体の使い方を今永さんに教えてもらった」と、腹部の丹田を意識し、体幹の力が抜けない投球フォームを模索。「できるようになればケガのリスクも減るんじゃないか。パフォーマンスを上げながらシーズンを完走できる」と1年間のフル回転を見据えた準備を進めている。
球団は
中日から通算166セーブのクローザー、
ライデル・マルティネスを獲得。
阿部慎之助監督は大勢に8回を任せる構想を描くが、「僕はあきらめていない」と昨季までの守護神としてのプライドを燃やしている。
写真=BBM