
リーグ制覇へ向け、守護神復活を期す山崎
抑えの座への返り咲きをかけた11年目に臨む。
山崎康晃は「見違える体になりたい」とオフシーズンを迎え、言葉どおり過酷な鍛錬で体を絞った。
強化メニューの代表例は低酸素トレーニング。標高3000メートルに匹敵する環境下で腹筋や跳躍などを組み合わせたサーキットトレーニングに励んだ。あまりのつらさに「やばい」と悲鳴を上げながら心肺機能を鍛え、「シーズン後半のほうがよっぽど苦しい。苦しいときこそ前に出るという意味では非常に効果的」とうなずいた。
昨季は不調で2度の二軍調整を命じられ、自己最少となる38試合の登板にとどまった。通算231セーブを誇るものの立場は約束されておらず、オフは積極的にブルペンで投げ込み、これまで頼ってこなかったカーブも磨いた。昨年は11月まで日本シリーズを戦ったためオフは短かったが、「例年になく早い仕上がりになっている」と手応えを示す。
プロ野球最多の407セーブを挙げた元
中日の
岩瀬仁紀氏が、1月に殿堂入りを果たした。山崎は先人の偉業に感化され、昨季29セーブを記録した
森原康平も候補となる守護神への思いを強くした。「誰よりも9回の厳しさを知っている。そこを生きがいにやってきた自負がある。誰にも譲れない気持ちはある」と闘争心をむき出しにする。
昨季リーグ3位から日本シリーズを制したチームは、ペナント奪還からの日本一を今季の至上命題とする。復活を期す右腕は「僕がやらないと優勝はない」と自覚十分だ。
写真=BBM