
キャンプは一軍スタート。開幕へ向けてギアを上げていく
同じ轍は二度と踏まない。
小川泰弘にとって昨季は、悔しく、もどかしく、不甲斐ないシーズンだったに違いない。開幕投手の筆頭候補と目されながら、開幕前に上半身を故障。出遅れ、結果的にいずれもキャリアワーストとなる12試合で2勝、防御率4.65に終わり「なかなか貢献できなかったので悔しい思いが強いですね」と唇をかんだ。
長年エースとしてスワローズを支え、ここまで通算104勝をマーク。
吉村貢司郎や
高橋奎二、
奥川恭伸ら若い芽が出てきているが、自身のペースで前に進んでいく。「フルで戦うところですね。具体的な数字というより、ベストを持ってこられるようなことが一番大事だと思います」と数字とは戦わず、己にベクトルを向けてシーズンに合わせる。
故障したことで見えてきたこともある。「ケガをして、体の機能が落ちていた部分があったので、そこはトレーニングで補っていく必要がある。さらに向上していくためにもパワーも必要ですし、そういうところはバランスよくやっていく必要がある」と小川。オフシーズンは股関節周りの耐久性を上げるために四股踏みに近いトレーニングを取り入れ、肩回りの強度もつけてきた。もちろん柔軟性も忘れず、体の可動域を広げるよう励んできた。
開幕投手にも意欲を見せ、2年ぶりとなる規定投球回到達も見据える。「とにかくたくましく思い切り戦える準備をしたい」。2月1日から始まった春季キャンプでは、初日からブルペン入り。プロ13年目はやり返す。
写真=BBM