チームへの愛着が大城卓三を思いとどまらせた。昨年9月に国内FA権を取得。シーズン終了後、一時は熟考したが、行使せずに残留することを決断した。
「ジャイアンツでの7年間を思い返しながら考えた中で、ジャイアンツで戦いたいと素直に思いました。今のチームメートと、いい景色を見たい。このチームでプレーしたいという思いが強かった」
昨季から選手会長の座に就いた強打の捕手は昨季、一塁も守りながら96試合に出場して3本塁打、27打点、打率.254。ドラフト同期でもある
岸田行倫の台頭もあり、16本塁打などキャリアハイを記録した前年から数字を落として、「自分の中でもふがいないシーズンでした」と振り返った。だが、球界を見渡しても貴重な打てる捕手の残留は、チームにとっても朗報に違いない。
大城卓の決断後、
ソフトバンクから侍ジャパンでもともに戦った同学年の
甲斐拓也がFAで加入。「もちろん負けたくないし、ライバルなんですけど、同時に心強い仲間でもある。その中で自分の存在感をどう出せるか」と、共闘を誓う。
オープン戦初戦となった2月22日の
DeNA戦(宜野湾)では途中出場から逆転3ラン。
阿部慎之助監督も「甲斐が入っても、自分のやるべきことを分かってくれている」と評価した。プロ8年目は自らをアピールし、出番を奪いにいくシーズンとなりそうだ。
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