
台湾のMVP右腕がギアを上げてきた。新庄監督は先発での起用も視野に入れる
期待が膨らんだ。新戦力の
古林睿煬が、上々の“日本デビュー”を果たした。初実戦は3月11日の
ロッテとのオープン戦(ZOZOマリン)。出番は6回。「初めてマウンドに立った瞬間っていうのは緊張感があったんですけど、1球投げてからは自然に投げていました」。最速153着ろをマークして三者凡退で投げ終えた。
ホップするような真っすぐでインパクトを残した。「初めてのゲームだったので、真っすぐで打者と対戦する感覚をちょっとつかみたかった」。まだ調整段階ながら、ストレートで相手打者を差し込み、バットを折る場面も。自己最速は157キロを誇るだけに、直球の質やスピードは「まだ上がると思います」。試運転のマウンドは手応え十分だった。
いきなりのアクシデントにも焦らず調整を進めてきた。1月下旬に台湾から来日した直後に右脇腹を痛めた。「チームからも焦らずにしっかり次にまたケガしないように、ゆっくり調整しようっていう話だった」。春季キャンプは別メニュースタートで調整自体は遅れたが、コンディションは回復。「あとは実戦の経験」と不安も一掃した。
新庄剛志監督の期待も大きい。「なんか緊張感なさそうでしたね。堂々としていた」と笑顔。ただ、故障明けを考慮して「あとは投げる体力があるかどうか」とシーズンへ向けて慎重に調整させていく考えだった。その後、18日の
巨人とのオープン戦(エスコンF)では最速155キロをマークして4奪三振と衝撃の本拠地デビュー。「あのピッチングをされたら1回、先発を見てみたい」と、指揮官はセットアッパー構想の方向転換を決めた。期待は高まるばかりだ。
写真=BBM