
奪三振率の高さが評価され楽天に入団
不安を一蹴したと言ってもよかった。今季から加入した
スペンサー・ハワードが、日本で初の実戦で好投した。2月24日の
ヤクルトとの練習試合(浦添)に2回から二番手で登板。3回を三者凡退に封じると、4回は先頭の
長岡秀樹に左前打を浴びたものの、
山田哲人は直球で押して空振り三振。続く
オスナを直球で遊ゴロ併殺に仕留めてピンチを脱した。
3月8日の
西武とのオープン戦(静岡)では5回から二番手で登板し3回を投げ2安打無失点。ヤクルト戦では140キロ中盤だった直球は、最速で152キロを計時。不慣れな日本のマウンドでの球にも徐々に慣れた様子で、着実に調子を上げてきた印象だ。
2020年にフィリーズでメジャーデビューを果たした190センチ右腕。昨季はジャイアンツとガーディアンズの2球団でプレーした。メジャー通算47試合に登板し4勝13敗。防御率7.00。来日当初は「日本人打者に対してどうアプローチしていくか分からないところもあった」と口に。
実戦登板では角度のある直球だけで押す場面もあったが、徐々にスライダーやカーブなどの変化球も解禁し手応えを得た。
大谷翔平(ドジャース)に被弾したこともある右腕。打者の反応を見ながら、日本の野球に徐々に順応し始めている。
フロントからは先発ローテの一人として期待されている。
石井貴投手コーチは「真っすぐで空振りを取れているし、しっかり押し込める」と球の強さを評価する。「チームの勝利のために」と語る助っ人が、新天地で躍動する。
写真=BBM