強い思いを胸に、見据えてきたプロ1年目が幕を開ける。ドライチ・麦谷祐介が、目をぎらつかせている。昨秋のドラフト会議で指名を受けた直後には「トリプルスリーや、ゴールデン・グラブ賞を目指したい。タイトルは最後まで試合に出続けないと獲れないと思うので、まずはそこを目標にやっていきたい」と力強く意気込んでいた。
富士大時代は、昨秋の北東北大学リーグで優秀選手、最多本塁打、最多打点、最多盗塁などのタイトルを獲得。ドラフト1位の鳴り物入りでオリックスに入団したが、宮崎での春季キャンプはプロのレベルの高さを痛感させられる日々だった。
「本当にやっていけるのかな? と思ったこともあります。正直、自信もなくなりました。結構、メンタルにきた」と、率直な気持ちを口にしたこともあった。
早々の挫折を経て、さらに練習を積んで結果を残した。3月11日の
中日とのオープン戦(バンテリン)では一番・中堅でスタメン出場し、開幕投手の
高橋宏斗から2安打を放った。
同学年から放った安打に「シーズンに向けて仕上げてきている一軍投手と対戦するのは、本当に光栄なこと。今まで見たことない球がたくさん来ますけど、それに立ち向かって結果を出していけるのが一軍に残れる選手だと思う」と自信を深めた様子だ。
岸田護監督も「可能性ありますよね」と開幕後の一番起用にも含みを持たせるほどのアピール。準備を整え、勝負の1年目に挑む。
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