大物投手の新たな門出に注目が集まる。日米通算197勝を積み上げてきた田中将大は開幕6戦目、4月3日の中日戦(バンテリン)で“巨人デビュー”を飾る見込みだ。

　昨季は楽天で登板1試合、0勝に終わり、オフに自由契約となって巨人へ。「(日米通算200勝に)残り3勝だというところをフォーカスされますけど、3勝で終わる気持ちはない。うだうだ、いろいろと(復活に否定的なことを)言われているのは知っている。まだまだできるんだという証明をしたい」と決意を示し、新天地での返り咲きにすべてを懸ける。

　春季キャンプでは、菅野智之(現オリオールズ)を前年の4勝から昨季15勝に導いた久保康生巡回投手コーチの“魔改造”と呼ばれる指導を受けて腕を縦に振るフォームに改良し、リリースポイントが高くなったことで球威が向上。オープン戦3試合で計6回1失点。結果を残して先発ローテーション入りを勝ち取った。

　頼もしい幼なじみも味方だ。坂本勇人とは兵庫・伊丹市の少年野球チームで6年間一緒にプレーし、田中将が捕手としてバッテリーを組んでいた間柄。オープン戦で同時出場した際には「変な感じがしましたね」と照れ笑いを浮かべたが、キャンプ中に坂本から歓迎会を開かれるなど、支えを受けている。

「日本一まで自分も戦力としてやっていけるように頑張りたい」というベテラン右腕。心機一転、新天地で生まれ変わった姿を披露する。

写真=BBM