
V奪還のために勝負強い打撃を見せていく
新しいシーズンを「五番」で迎えたのは
大山悠輔だ。守備の面でも、開幕前のオープン戦などでマウンド上にできた輪の中で声を掛けている姿は印象的だった。オープン戦は好調だったが「開幕したらゼロなので」と油断はない。「打点を挙げるのが自分の仕事と思っている」という心構えもこれまでと変わりない。
優勝した2023年は全試合四番に座った。昨シーズンの打順は四番の90試合が最多だが、五、六、七番も打った。新体制になった今季は五番でのスタートになった。
「場面、場面でやるべきことは分かっています。自分が打点を挙げれば、前の2人(
佐藤輝明、
森下翔太)の気持ちも変わってくることもあるので、カバーしたいと思っています」
三番・佐藤輝、四番・森下と組むクリーンアップで、大山は前の若手を受ける形で、本番で結果を残すつもりだ。それが五番・大山に課せられた大事な役割になる。
阪神の先発五番では「鉄仮面」がニックネームだった
藤井栄治が最多出場記録だ。1985年は
岡田彰布、2005年は
今岡真訪が五番打者で勝負強さを発揮した。それぞれがリーグ優勝に貢献したこともあり、大山のパフォーマンスは試合の行方を左右するかもしれない。「状況を見ながら1年間やりたい」とシチュエーションによって打ち分ける。
対
広島から開幕した藤川阪神。2年ぶりのV奪還を最大のテーマに、新五番が攻守にチームを引っ張る。
写真=BBM