キャプテンが開幕前に帰ってきた。
チーム2年ぶりとなるキャプテン制度復活で、春季キャンプ開始前日に吉井監督が指名したのが藤岡裕大だった。
自身中学生以来のキャプテンに藤岡は「グラウンドの中で正しい方向を示せるのはいいと思いますし、そういう選手にならないといけないなと思っているので。これを機にもっと自覚を持って、若い子を引っ張っていけたら」と気を引き締めた。
だが、2月に右肘の違和感で離脱。約2週間ファームでリハビリを中心に調整を続け、3月14日の
広島とのオープン戦(マツダ広島)で対外試合に復帰した。シーズン前の復帰にファンも胸をなで下ろしたことだろう。
その後、藤岡は8試合のオープン戦に出場した。吉井監督は「故障でちょっとチームから抜けていたので、彼もまだキャプテンとしての行動っていうのは遠慮がある。これから多分、引っ張っていてくれるんじゃないかと思います」とさらなるキャプテンシーの発揮を期待した。
思い描くキャプテン像について藤岡は「言葉がうまいほうじゃないので、姿で見せていけたら」と話していた。藤岡にとって「姿で見せる」とは――。
例年以上にこだわるのは「143試合出場」だ。近年はシーズン中にケガで離脱することもあったが、今年は体のケアを最優先。
「そこにはしっかりこだわって、まずケガしないことから頑張りたい。チームとしてはまずリーグ優勝。そこに向かって一人ひとりが1日1日うまくなれるような。そういうチームをつくっていけたら」(藤岡)
新たなチームリーダーが、ロッテを率いる。
写真=大賀章好