
開幕から好打を見せていたドラフト2位ルーキー・渡部聖
五番・左翼で開幕スタメン出場し、球団では2003年の
後藤武敏以来、22年ぶりの新人でクリーンアップとして出場の快挙を遂げた
渡部聖弥。「大学日本代表四番打者」の看板に偽りはなかった。
大卒ルーキーだけに即戦力の自覚は強く、春季キャンプから猛アピールを続けた。「広角に長打を打てる」という持ち味を存分に発揮し評価を上げると、オープン戦でも結果を出し、早い段階から開幕メンバー入りが確実視された。勝負強さや変化球への対応など、その新人離れした打撃センスに称賛の声の連続だが、さらに圧巻なのが修正能力だ。
オープン戦が終盤に差し掛かるにつれ無安打の試合が続いたことがあった。一時はスタメンからも外れた。その期間中に
仁志敏久野手チーフ兼打撃コーチの助言もあり、「毎日試合をする中で体の歪みなどが出てきて、足を上げたときに後ろ体重になっていたことで、タイミングが遅れていました」。その気付きを機に「後ろ体重にならないように『しっかり骨盤を立てる』感覚をつかめています」。見事に状態を上げ、開幕スタメンの座を射止めた。そして球団新人タイ記録の開幕から6試合連続安打と主軸の一角として存在感を大いに示した。
また、重量感のある体格だが、俊足も武器とする。外野守備でも球際の強さ、強肩ぶりを随所で披露。自身も「(走攻守)三拍子そろっているところ」を売りにしているだけに、将来的にトリプルスリーも期待したいところだ。
4月14日現在、打率.429でリーグトップに立つ。しかし、13日の
日本ハム戦(エスコンF)で走塁中に右足首をねんざ。全治1~2週間で登録抹消された。一軍復帰した際、再び大暴れする姿を見たい。
写真=BBM