
自慢の真っすぐを武器にブルペンを支えている
堂々たるピッチングを披露した。3月28日に行われた
オリックスとの開幕戦(京セラドーム)、1点を追う8回。二死一、二塁のピンチで
西川龍馬を中飛に仕留めた
江原雅裕は、小さく右手を握りしめた。記念すべきプロ初登板は、2安打を浴びながらも1回を無失点。「緊迫した展開ではあったが、自分が流れを持ってくるぐらいの強気な気持ちでいけた」と充実感をにじませた。
1点を返した8回にマウンドへ。先頭の1番・
中川圭太は146キロ直球で左飛。続く
宗佑磨には4球連続で直球を続けた末に右前打を浴びたが、この日最速となる154キロをマーク。3番・
紅林弘太郎は3球連続で直球を続けた後、最後は150キロの内角直球で右飛に封じた。24歳のルーキーはデビュー戦で、言葉どおり強気な投球を披露した。
ドラ1の
宗山塁が注目を集めているが、首脳陣から期待されるルーキーの一人だ。国学院大を経て日鉄ステンレスへ。186センチ右腕は即戦力候補として2025年、ドラフト4位で入団した。1軍スタートとなった春季キャンプで地道なアピールに成功し、開幕一軍を勝ち取った。
チームは開幕戦で敗れたとはいえ、大事な一戦でプロとしての一歩を刻んだ。角度もある直球の制球はまずまず。勝負球のフォークを含めて変化球の精度を上げれば、中継ぎ陣に欠かせない存在になれずはずだ。「任されたところをしっかり0で抑えて帰ってくることを考えて、頑張っていきたい」とさらなる活躍を誓った江原。頼もしさすら感じさせる新人右腕は、自慢のストレートを武器に一軍で躍動する。
写真=BBM