中日の新助っ人マラーが期待を抱かせるピッチングを見せた。本拠地開幕戦となる4月1日の
巨人戦(バンテリン)。201cmの大型左腕が前年王者の前に立ちはだかった。
「決め球を投げ切れたのが良かった」。初回からオコエ、
キャベッジから連続三振を奪うと、最速154キロの直球を中心に攻めの投球を展開した。
1点リードの4回二死から四番・
岡本和真に内角カットを左翼スタンドへ放り込まれたが、失点はこの1点のみ。5回を3安打1失点、9三振と堂々の「デビュー戦」となった。
2023年にはメジャーでアスレチックスの開幕投手を務め、エンゼルスと対戦。在籍していた
大谷翔平(ドジャース)との投げ合いを制した。
それでも「郷には入れば郷に従え」を実践。春季キャンプでは個別練習で
大塚晶文巡回投手育成コーチとフォーム矯正にコツコツ取り組んだ。
「もっとうまくなりたいからね。周りから見て必要だと言われたことは何でもやるつもりさ」。右肩の開きを抑えることで制球力アップさせるのが狙い。キャンプ中の実戦ではコントロールで不安を見せる場面もあったが、投げるたびに修正されていった。
異国の生活にも溶け込もうとしている。来日してからは焼き肉や和牛のステーキにハマっている。
井上一樹監督が名古屋市中区で松阪牛を扱う高級焼き肉店「樹一」をプロデュース。そのことを聞いたマラーは即座に反応した。
「Really!? I have to go!(本当!? 行かないとね!)」と茶目っ気たっぷり。2試合目の登板となった4月8日の
広島戦(長良川)も8回途中1失点の好投。先発を支える存在になってくれそうだ。
写真=BBM