チームが勝利したことが何よりだった。
床田寛樹は、今季2戦目の先発となった4月5日の
DeNA戦(マツダ広島)で7回2失点。初回いきなり2失点も、2回以降は追加点を与えなかった。
味方打線が4回までに逆転に成功し、勝利投手の権利は手に降板。だが、9回に救援陣が4点差をひっくり返され、最後は延長11回に代打・
田村俊介のプロ1号サヨナラソロ。
今季1勝目はお預けとなったが「(チームが)勝って良かったです」と、後味の悪さはなかった。
3月1日に30歳を迎えた左腕。今季初先発の開幕2戦目・
阪神戦(マツダ広島)は2度のリードを守れず、7回3失点で敗戦投手に。
それでも、4月12日の
巨人戦(マツダ広島)では、初回から走者を背負いながらも、要所を締める投球で9回8安打無得点、7奪三振。3回に矢野のスクイズで奪った1点を守り抜き、自身2年ぶりの完封で今季初勝利をつかんだ。
4月24日現在で2勝1敗、4戦連続でQS(6回以上、自責3以下)はクリアした。昨年、一昨年と2年連続でチーム最多11勝の安定感は健在だ。
今季から、昨季引退した
野村祐輔(現三軍コーチ兼アナリスト)の背番号『19』を継承。16年に25年ぶりリーグ優勝に貢献した先輩の16勝3敗を指針に、9年目シーズンを迎えた。
「構え過ぎて、いいことはあまりない。自分らしく振る舞っているほうが、いい結果になることが多い。平常心で」。
2戦白星なしのスタートにはなかったが、登板を重ねて白星をつかんでいる。
開幕投手を務めた
森下暢仁と左右両輪で、結果で先発陣を引っ張ることが求められる。
森下とは「打」でもしのぎを削る。自身は今季すでに3安打を放ち、ひそかな目標の通算50安打に残り8。
「(森下は)どうせ打つだろうと思って見ている。今年もいい勝負ができれば」と、プロ初本塁打という夢もある。
「投げるほうは頑張るのは当たり前」
投げて打って、ここから白星を量産していく。
写真=井沢雄一郎