
もう一度、優勝という歓喜を味わうために懸命にプレーする
開幕から先発マスクをかぶったのは
坂本誠志郎だ。
梅野隆太郎に
榮枝裕貴が加わった3人の捕手が一軍出場選手登録された状況で、坂本で初戦を勝った意味は大きかった。
プロ10年目。節目のシーズンで坂本は「第一に優勝したい気持ちが強い。(昨年2位の)悔しい気持ちをより大きく感じている」と意気込んで区切りのシーズンに臨んでいる。
坂本という捕手は、その日のピッチャーの状態を見極める能力が高いと評価されている。ベンチ内でも投手と密にコミュニケーションを取っている。
広島戦の開幕投手だった
村上頌樹は「これを投げたいと思ったときサインが出るのは、ほとんどその球」と語ったように、コンビを組む投手陣からの信頼も厚い。
FA権を行使せず残留した際は、
藤川球児監督も「捕手はグラウンド上の監督の代わり。リーダーシップをプレーの中で発揮してくれるはず」と期待している。
坂本本人も「(藤川監督の)現役時代にいろいろ教わったことが今に生きているので、それをフルに使って、持てる力を使って勝ちにいく」と期待に応えるつもりだ。
岡田体制から藤川監督に代わっても、捕手を併用していく方針に変わりはないだろう。31歳で中堅・ベテランの域に入った坂本の役割は大きい。
昨シーズンの勝ち頭だった
才木浩人の今季初登板でコンビを組んだのは坂本だったが、2戦目の先発は梅野だった。藤川色が出るのはこれからで、坂本を中心にした女房役の起用も注目だ。
写真=BBM