
先発挑戦へ向けて、まずはリリーフで結果を残す
柳川大晟の“開幕”は4月8日だった。
楽天戦(楽天モバイル)から今季初昇格した最速157キロ右腕は「4月中に一軍へ上がりたいなと思っていたんで。思ったより早く上がれたので、うれしいです」。昇格当日はエース・
伊藤大海が完投勝利で出番はなかったが、9日の同戦では3点リードの7回に登板。1回無失点で今季初ホールドを挙げた。
育成選手から支配下選手に昇格して2年目を迎えた。昨季は一軍デビュー戦こそ先発だったが、シーズン中盤からは中継ぎとして奮闘。一時はクローザーを務めるなど、ブルペン陣の中で存在感を発揮した。多くの経験も積んだ中で、昨オフの契約更改では「先発をしたい」と意思表明。今春キャンプもまずは先発としてスタートしていた。
ただ、現実は甘くなかった。先発として登板した2月16日の楽天との練習試合(名護)は2回1安打無失点も、その翌日に首脳陣から今季は中継ぎでの起用方針が伝えられた。豊富な先発陣がそろっているチーム事情もあったが、それ以上にキャンプ中に投げていたボールの質も本調子からは遠かった。キャンプ終盤に二軍へ合流し、再出発を図った。
原点回帰で直球を磨き直した。「(先発挑戦へ向けて)変化球を練習しようと思って真っすぐに対する意識が薄くなっていた」。本来の真っすぐの力を取り戻すとイースタン・リーグでは4試合で計4回を投げて8奪三振と柳川らしさが復活した。支配下2年目は先発への思いも持ち続けながら、まずは求められた救援で結果を出し続ける。
写真=BBM