新天地でも存在感を示している。先発ローテーションの軸となり、2年ぶりのリーグ優勝を目指すチームを支えているのが、
広島からFA加入した九里亜蓮だ。昨オフに海FA権を行使して移籍した33歳右腕は、新しい環境でも変わらぬ気持ちでマウンドに上がり続けている。
今季2試合目の先発登板となった4月5日の
日本ハム戦(エスコンF)で、8回5安打1失点。見事な投球を見せつけ、移籍後初勝利をマークした。翌週の12日の
楽天戦(楽天モバイル)でも8回、114球を投じて6安打無失点の熱投で2勝目を手に。18日の日本ハム戦(京セラドーム)では9回を投げ切って6安打1失点。女房役の
若月健矢が9回裏にサヨナラ打を放ち、今季3勝目が転がり込んだ。
107球を投じて、移籍後初完投をマークすると「打たれることを恐れず、大胆に攻めていこうといったのが、いい方向に行った」と、大粒の汗を拭った。底なしの体力があり「まだ行けと言われれば、(延長戦も)全然、行ける状態ではありました」と笑うほどだった。
33歳は登板間隔が中5日となっても「僕的には、間隔が延びるよりも、短くなったほうが、どちらかというと調整して入っていける。間隔を詰めて投げさせていただけることを、意気に感じて頑張りたい」と歓迎する。
どんな場面でも「初回からしっかり腕を振って投げていくのは変わらない」と、真っすぐな視線で話す。新戦力のFA戦士が、歓喜の瞬間を目指して腕を振る。
写真=BBM