開幕から暴れまくった。
阪神との開幕カード(マツダ広島)でチームは1勝2敗と負け越したが、小園海斗は3戦連続の計5安打と気を吐いた。
「一番打ちたいと思ってますし、一番活躍したいと思っている」と頼もしい不動の三番打者が、開幕13戦目に首位に浮上するなど好調チームの打線の中心に君臨する。
今季17試合目までに10度のマルチ安打をマークし、20試合を消化した時点で打率.372は堂々のリーグトップ。それでも「毎日不安」と自分と向き合いながら打席を重ねる。
移動ゲーム時など、チームが“時短練習”を取り入れる中で「振る量は増やすようにしている。振らないと分からない。僕はそういうタイプ」と不安を打ち消す日々を送る。
チーム全体で徹底的に振り込んだ春季キャンプから継続したスイング量で、スタートダッシュに成功した。
新井貴浩監督は「小園には最後までグラウンドに」と期待する。
5月4日の
中日戦(マツダ広島)で、今季29試合目にして初めて、指揮官は小園をスタメンから外した。「ちょっとここ最近、グラウンドで弱い姿が見受けられるので」。求める強い姿があるからこそ、厳しい目も向けている。
翌5日の
ヤクルト戦(神宮)で2試合ぶりに出場した小園は、2回二死一塁で四球をもぎ取って雄叫びを上げ、ワンプレーへの執念を見せた。
今季から背番号が『51』から『5』に変更となった。「もう少し先頭に立ってやっていけるように」と、主力としての自覚は十分。
「まだまだここから。絶対に昨年のようなことがないように」
シーズンは始まったばかり。昨年9月に月間20敗(5勝)という歴史的失速で4位に沈んだ悔しさを胸に刻み、チームを押し上げていく。
写真=井沢雄一郎