
ルーキーらしからぬ打撃センスを見せている渡部聖
初出場、初安打、初打点、初盗塁と、次々に“プロ初”をクリアしているのがドラフト2位ルーキーの
渡部聖弥だ。五番・左翼で開幕スタメンを勝ち取ると、第2打席で初安打を記録。その後もスタメン起用が続き、開幕戦から6試合連続で安打を放つなど新人離れした活躍で打線を牽引した。しかし、4月12日の
日本ハム戦(エスコンF)で走塁の際に右足首を捻挫し登録抹消。初の戦線離脱も経験した。
「状態が良かったので、めちゃくちゃ悔しかったです」
だが、渡部聖の新人離れしている点は成績だけではなかった。抹消されると「今の期間だからこそできることをやろう」と早々に気持ちを切り替えた。
「日々試合が続くと、体に向き合う時間やトレーニングの時間が少なくなっていて。そこをもう一度しっかり詰めて、バイクをこいだりして心肺機能を高めようと努めました。実際の数値も伸びたので、すごく良い機会になったなと、今では思っています」
また、一軍の試合も欠かさずチェックしたが「リアルタイムで試合を見ていても自分がうまくなるわけではないので。その時間でバット振って、チャンスの場面で自分が打席に立つことをイメージしながら練習していました」。とにかく実践あるのみ。可能な限り体を動かし、バットを振り、よりパワーアップして一軍復帰することを決意して過ごした。
そして、4月24日の
オリックス戦(ベルーナ)で戦列に戻ると4試合連続で複数安打を記録。5月8日現在、打率は.360を誇っている。「チャンスがすごく好きなんです」と背番号8。早くもチームの勝利に必要不可欠な存在となっている。
写真=BBM