
新人らしからぬ落ち着きで打席に立っている
本拠地の
楽天モバイルが大歓声で沸いた。4月18日の
ロッテ戦。4点を追う8回二死、
宗山塁が
鈴木昭汰の投じた2球目。内角スライダーを強振した。ライナー性の打球は、右翼席で跳ねた。初回の左前打、6回の中前打に続き3本目のヒットはプロ入り後2号となるソロ。プロ初の猛打賞をマークし「方向を問わず、ヒットを打てるのはいい時の特徴だと思う」と手応えをにじませた。
同16日の
ソフトバンク戦(みずほPayPay)では、通算56打席目でプロ1号ソロを放ったばかり。12球団を通じてルーキー1号ともなった。ただ、本拠地での一発は格別だった。「ダイヤモンドを回る時にホームの歓声は福岡で1号を打った時よりも大きくて、球場の熱狂を感じた」。同ロッテ戦は1対4で敗れたが、拍手を惜しまない本拠地の観衆に感謝した。三木監督は「自分の打つポイントまで引きつけて、非常に素晴らしいスイング」と絶賛した。
5月11日の時点で33試合出場し打率.262。明大時代から定評があった守備でも、何度も好守を披露。打撃だけではなく、持ち味である守備でも見せ場を作っている。七番・遊撃で先発した27日のソフトバンク戦(楽天モバイル)では、延長11回無死一塁で、左翼線に二塁打。サヨナラ勝ちに貢献した。「バントのサインではなかったので、何とか打ってつなぐということを求められた打席だと思う」。求められた役割を確実にこなす度胸は新人離れしている。初安打はもちろん、初マルチに初盗塁、初打点など着実に成績を残しているドラ1ルーキー。20年に一人と言われる逸材は、日々の結果に満足することなく確かな一歩を刻み続けていく。
写真=BBM