壁の高さを知り、若武者はまた強くなる。高卒から育成4年目として今季に臨んだ笹原操希は、イースタン・リーグで打率.375、7打点、5盗塁と猛アピールに成功し、4月14日に支配下登録された。「長野(
長野久義)さんのような走攻守すべてで活躍できるような選手になるのが目標」と語った右打ちの外野手の出番はすぐにやってきた。
同16日の
DeNA戦(東京ドーム)で一軍に昇格すると、八番・左翼で即スタメン起用。デビュー戦で安打は出なかったが、2戦連続で先発起用された翌17日の同カード、8回無死一塁の第3打席でプロ初安打となる左前打。
東克樹の真ん中に入ってきたスライダーをとらえ、通算6打席目で待望のHランプが灯った。「とりあえず1本出たので、ホッとしました。(記念球は)実家に送ろうと思います」と初々しい笑顔を浮かべた。
育成ドラフト4位で長野・上田西高から2022年に入団。守備力と走力には定評があり、高校通算33本塁打の打力にも確実性が光る。あこがれと語る40歳のチームメート、長野からたくさん譲り受けてきた打撃用手袋をお守りに、ようやくプロとしての第一歩を刻んだ。
ただ、その後は2度のスタメン出場などチャンスを与えられながらも11打数無安打で、同26日に登録を抹消された。一軍での確かな経験を糧に、再び腕を磨いていく。
写真=BBM