万感だった。お立ち台から見える景色が涙でぼやけた。「僕が生きてきた中で一番くらいのドキドキだった」。入江大生にとって、597日ぶりの1軍登板。舞台は3月28日の本拠地・横浜スタジアム、
中日との開幕戦で用意された。5点リードの9回に登板し、先頭の
板山祐太郎にストレートの四球。しかし
カリステ、
石川昂弥、
細川成也のクリーンアップを3者連続の空振り三振に仕留めた。最速は154キロ。「緊張して押しつぶされそうだった。手術前より格段にレベルアップしている」と目をキラキラと輝かせた。
明大から2020年ドラフト1位で入団した。ハマの大魔神として一時代を築いた
佐々木主浩さんから受け継いだ背番号22。将来のエースとして見込まれ「勝てる投手になりたい」と決意表明した。1年目は4試合で4敗。右肘のクリーニング手術を経験した。「球の質、もろもろを考えて、リリーフの方が力を発揮できる」と踏んだのは
三浦大輔監督。翌年からの配置転換が転機となった。
22年は自己最多の57試合に登板。昨年は右肩のクリーニング手術も受けたが、下を向くことはなかった。「応援、歓迎される舞台で投げることがモチベーション」と地道なリハビリで復活につなげ、自力で掴んだのは守護神のポジション。チーム最多の7セーブを挙げ、4月25、26日の
広島戦(横浜スタジアム)では連投もクリアした。「やりがいをすごく感じます」と心身の充実を示すように、自己最速を1キロ更新する159キロを計測。同期入団の
牧秀悟とともに、投打の軸を担う。
写真=BBM