愛知県に生まれ、名古屋市の東邦高で甲子園に出場し、竜でプレーし続ける。5月13日には生まれ育った愛知・豊橋でのゲーム(
ヤクルト戦)でも投げた。しかも勝ちに貢献したから喜びもひとしお。ただ……。
「小さいころの豊橋市民球場でのいい記憶がないんですよ」。小学生のころ、リードして迎えた最終回に四球を連発。試合中のマウンドで泣いたことは、今となっては笑い話だ。
苦い思い出は、その後のプロ入り後にある。2023年5月16日の
阪神戦で登板したが、一死も取れずに1失点して降板していた。
記憶の上塗りは好結果を出すしかない。この日、2点リードの6回にマウンドへ。先頭・
茂木栄五郎に右前打で出塁を許したものの、
オスナを高め直球で空振り三振、続く
内山壮真は低めのスプリットで中飛、最後は
山田哲人を高め直球で右飛に打ち取った。
地元ファンから大きな拍手が起こる中、ベンチへ戻り「ホッとしました。いい緊張感の中でしっかり0点で抑えられてよかった」。凱旋登板で見事な雄姿を見せた。
2週間後の5月27日のヤクルト戦(神宮)では通算300試合登板を達成。「妻からの『おめでとう』というLINEで知りました。祖父江(
祖父江大輔)さんとか、お手本になる先輩が多いので少しでも近づけるようにコツコツ頑張っていきたい」と語る。
「育った土地にプロ野球チームがあって、そこでプレーできて幸せです。ほかの土地が分からない。居心地? 最高です」。今季から選手会長。どっぷり地元につかっている。
写真=BBM