少ない出番で魅せる。増田大輝は中心選手でなくても、欠かせない戦力だ。「大事な場面で出してもらうことが多いので、メンタル面は誰にも負けない。そこはしっかり前面に出して、自分の役割を全うしたい」と、強気と集中力を発揮して勝負どころでチームを救う。
ここまでの見せ場は4月29日の
広島戦(東京ドーム)。ひとつの守備で劇的勝利を呼び込んだ。9回に代走で途中出場し、同点のホームを踏むと、そのまま中堅守備に就いた。延長12回、先頭・
末包昇大が正面に放ってきた浅い飛球に走り込んでダイビングキャッチ。チームを盛り立て、その裏の
甲斐拓也の犠飛によるサヨナラ勝利を呼び込んだ。
「絶対捕ってやるっていう気持ちで行ったのが、ああいうアウトにつながったのかなと思います。球際は大事にしてる部分」と“仕事人”は淡々と振り返った。
阿部慎之助監督は「増田がスーパープレーをしてくれて勝ったようなもの」と絶賛した。
近大中退、とび職、独立リーグを経て2016年に育成選手として入団。強肩、俊足、バントや盗塁の巧みさを武器にスーパーサブへと成長した。入団から10年目となる節目の今季も、すべて途中出場ながら多くの出番を得ている。普段の練習では内外野でノックを受け、入念なバント練習も怠らない。「持ち味である守備と走塁で貢献したい」。大きな存在感を放つ貴重な“脇役”だ。
写真=BBM