中継ぎから先発に転向したばかりの岡本駿が、監督推薦で球宴初出場を果たした。
「僕が? という感じで、すごく驚きました」
Bクラスに沈む広島の先発投手で唯一の選出だっただけに、決定時には思わず目を丸くした。
甲南大に進学してから本格的に投手に転向。投手歴は浅い。入団当初も素材型と見られていた。
それでも球質の高さやマウンド度胸など、プロで戦う素質を認められ、1年目から戦力となった。
中継ぎで41試合に登板し、投手として経験を積んだ。2年目の今季は先発に転向し、開幕ローテーション入りを果たした。
先発初登板の4月2日の
ヤクルト戦(神宮)は7回3安打無失点も、援護に恵まれなかった。
それでも先発4試合目、5月1日の
中日戦(マツダ広島)で6回途中1失点と好投し、待望のプロ初勝利を手にした。その後も150キロ前後の直球にツーシーム、カットボールなどの球種を織り交ぜながら白星を積み重ねた。
7月15日時点で6勝、69奪三振はいずれもチーム最多。先発の大黒柱として期待された
森下暢仁が7月11日に不調で二軍降格となり、最年長の
大瀬良大地も二軍暮らしが続く。
規定投球回に到達しているのは、
床田寛樹と岡本の2人だけ。苦しい台所事情でローテに定着している。
夏場を迎え、思うように勝ち星を積み上げられない苦しさも味わっている。
それでも先発1年目の24歳にとっては、すべてが成長の糧だ。
出場決定時には、球宴への意気込みをこう語っていた。「オールスターではすごい選手もたくさんいるので、自分の力でしっかり抑えられるように頑張ります」。
初めて経験した球宴の舞台も、投手としてさらなる飛躍を遂げるための貴重な糧となったはずだ。
写真=井田新輔