
再度一軍のマウンドに返り咲くために
完投王国の先陣を切った
金村尚真は、前半戦最終盤を二軍で終えた。「うまくまとめようとしすぎて、腕を振るというより、自分の中で考えすぎていた」。6月以降の登板は、苦しい投球が続いていた。試合を作れず、マウンド上では理由を探してしまう。頭の中だけフル回転。一方で、投球フォームはダイナミックさに欠け、ボールの質が低下した。
歯車がかみあっていた春先は抜群の出来だった。初めて任された開幕投手で、いきなりプロ初完投初完封勝利。直球も走り、変化球も決まって、最後まで球威も落ちなかった。昨季は9回に打たれて完投も逃していたが、今季は「よし、9回は絶対に抑えてやろう」ではなく「9回も淡々とストライクを投げる」。
加藤貴之の助言から考え方を変えた。
自分のペースを守って、好不調の波こそあったが、5月までに4完投。先発陣の完投ムーブメントに火を付けた存在だった。ただ、5月までは良いときの自分に戻ることもできてはいたが、6月以降は不調ゾーンへ迷宮入り。中6日で3試合に先発した交流戦で苦しい投球が続き、リーグ戦再開後の7月3日の
ソフトバンク戦(みずほPayPay)でも4回3失点で4敗目。無期限の二軍再調整となった。
新庄監督は悩める開幕右腕の心のモヤモヤが晴れることを祈って「何が悪いかとかもう全て忘れて、走り込みして」と金村に首脳陣を通じてメッセージを送った。金村も「一軍にいたときよりは走りました」とリスタート。二軍で本来の力を取り戻して、9年ぶりのリーグ制覇のために腕を振りたい。
写真=BBM