敵地に沸き起こったのは悲鳴ではなく驚嘆の声だった。丸佳浩が見せたダイビングキャッチは敵味方のファンに関係なく、プロのすごみを見せつけるものだった。
9月15日の
DeNA戦(横浜)。日米通算200勝をかけて先発した
田中将大とDeNA・
ケイの一歩も譲らぬ投手戦となった試合に丸は左翼手として出場していた。0対0の回二死満塁、
度会隆輝が放った左翼線へ切れていく打球を猛ダッシュで追いかけ、勢いそのままにダイビング。左腕をいっぱいに伸ばし、グラブの先でボールをつかんでみせた。
「僕の飛び込む距離感的に、ドンピシャのところだった。うまいことタイミングを合わせていくことができました。『絶対に捕ったろう』と思っていたので、その思いがつながってよかった」と本人も胸を張るスーパープレーだった。
結局、田中将は6回に2点を先制され、味方の援護がないまま勝利を逃したが、丸が打球を捕れていなければ大量失点の可能性もあった。
広島時代の2013年から巨人1年目の19年まで7年連続でゴールデン・グラブ賞に輝いた名外野手だ。36歳となった今季も、中堅、右翼との3ポジションをチーム事情によって守り分けており、「少しでも投手を助けられるように、攻撃でも守備でも同じ気持ち」と献身的な姿勢で堅守を披露している。
プロ18年目。何千、何万球と打球を受けてきた経験が、グラブにボールを収めるために必要な一瞬の判断に生きている。
写真=BBM