
今季は開幕から一度も離脱せずにシーズンを戦い抜いた
ルーキーイヤーから一躍その名をプロ野球界にとどろかせた。2019年ドラフト7位で東洋大から入団した
中川圭太は、4月20日に初昇格を果たすと、交流戦では打率.386を残し、新人で史上初となる首位打者を獲得。その後も四番を打つなど中軸を任される試合が多く、111試合で打率.288、3本塁打、32打点と活躍し、華々しい未来を予感させた。
正三塁手として期待された2年目は一転し、プロの壁に苦しんだ。開幕から攻守ともに精彩を欠き、7月だけで2度の登録抹消を経験。転機となったのは、
西村徳文監督の辞任と
中嶋聡二軍監督の一軍代行就任だった。ファームでの活躍ぶりを「無敵の中川」と称した代行指揮官は、それまで一軍打率.118だった中川を「四番・中堅」で起用。今でもファンからの愛称として親しまれる原点は、このときに生まれた。
22、23年はいずれも規定打席に到達してチームの優勝に大きく貢献。2度の左大腿直筋の筋損傷で60試合の出場にとどまった昨季を経て、今季は開幕から一度も離脱せずに完走。リーグ3位の打率.284を記録し、8月には4試合連続本塁打の離れ業も演じてみせた。プロ7年目を迎え、円熟味を増す29歳。「(いずれも同学年の)頓宮みたいに本塁打が打てるわけでもないし、宗みたいに(攻守走)三拍子そろっているわけでもない。自分のプレーをして、勝利に貢献したい気持ちだけ」。謙虚さを胸に、さらなるチームの栄光と自らの成長を追い求めて闘い続ける。
写真=BBM