環境の変化が眠れる大砲を目覚めさせた。5月に
ソフトバンクからトレードで加入したリチャードは、77試合に出場して打率.211、11本塁打、39打点。古巣での7年間のキャリアハイを大きく上回った。
昨年までウエスタン・リーグで5年連続の本塁打王、3年連続となる4度目の打点王を獲得しながら、一軍では実力を発揮できなかったものの、主砲・
岡本和真が故障離脱した巨人への電撃移籍が転機となった。
「心機一転、これを機にちょっと自信を持ってプレーしたい。岡本さんが帰ってくるまでとは言わず、頑張ってチームが勝てるように、自分の力を出せるように頑張りたい」
そう意気込みを語った5月13日の合流初日の
広島戦(マツダ広島)で、いきなり1号ソロアーチ。すぐに得点力不足にあえいでいたチームに刺激を与える存在となり、打率1割台の時期も長かったが、
阿部慎之助監督は「あの数字ですけど使いたくなっちゃう。一発(本塁打)が宝くじくらいの確率である」と期待感を表現した。
後半戦は三塁のスタメンに定着し、岡本の復帰後は一塁が持ち場となった。連日、
亀井善行打撃コーチの練習ドリルで安定したスイングを維持し、「気負うことなく、『打てる』と思ったら振っていく」というシンプルな思考が進化に結びついた。
まだ26歳。沖縄尚学高から2018年に育成ドラフト3位でプロの世界へ飛び込んだ「未完の大器」の未来が開けた。
写真=BBM