
今年の2月に支配下復帰を果たし、50回2/3を投げ70奪三振とイニング数を上回る数字を記録した
まさに安定感抜群の投球だった。9月27日の
オリックス戦(京セラドーム)。2点を追う8回無死一、二塁のピンチ。二番手でマウンドに上がったのは
西口直人だった。まずは
頓宮裕真をフォークで投ゴロ。一死二、三塁としたあと、続く
若月健矢は3球とも直球で空振り三振。さらに
杉本裕太郎もすべて直球で3球三振。最速153キロを計時した自慢のストレートで、危機を鮮やかに脱した。
V字回復と言っていいシーズンだ。2023年秋に右肘のトミー・ジョン手術を受けた。オフには育成契約となったが、今年2月に支配下復帰。リハビリを乗り越え、不安を抱えながら始まった今季だったが自慢の剛球が復活。開幕から26試合連続無失点の球団新記録を達成するなど、勝利の方程式に欠かせない男として帰ってきた。
今季は52試合に登板し3勝1敗、31ホールド、防御率1.07をマーク。50回2/3を投げ、奪った三振は70。奪三振率は12.43と驚異的な数字をマークした。「出来過ぎかなと思いますし、今年みたいな成績を残せるように来年も頑張りたい」と静かにうなずいた。
オフには侍ジャパンに初選出。チームの救援陣を支えた男が、初めて日の丸を背負って戦うことになった。胸にあるのは感謝の思いだ。「監督やコーチ、トレーナーがうまく管理をしてくださったおかげで1年間やることができた」。リハビリに付き添ってくれたトレーナーや右肘の状態を見ながら起用してくれた首脳陣など、感謝の思いは尽きない。タイトルには手が届かなかったが、放った輝きは確かなものだった。
写真=BBM