
今季は開幕から唯一、出場選手登録を外れずにフル稼働した
広島から海外FA権を行使し、
オリックスに加入したのが2024年オフ。
九里亜蓮は新天地でも、そのタフネスぶりをいかんなく発揮した。25試合に先発し、チームトップの11勝(8敗)、同トップの164回1/3イニングを消化して防御率2.41。チームの先発投手では開幕から唯一出場選手登録を外れることなく、1年間フル稼働で貢献した。
直球の球速こそ140キロ台前半から中盤でも、宝刀・チェンジアップを筆頭にシンカー、スライダー、シュート、カットボール、カーブと七色の変化球を組み合わせて相手を幻惑。特に本拠・京セラドームでは13試合の登板で8勝1敗、防御率1.06と無類の強さを誇った。「声をかけて獲ってもらったからには、一年でも長く野球をやる中で(チームに)還元できるものがあれば」。チームの投手陣では
平野佳寿、
岩嵜翔に続いて3番目の年長者。春季キャンプから若手投手と積極的にコミュニケーションを取り、野球への姿勢と言動でけん引してきた。シーズン中も
田嶋大樹にセットポジションでの投球や変化球をレクチャーし、
才木海翔には投球時に体が開きがちになる悪癖を矯正するための練習メニューなどを助言。多くの後輩投手たちの指針として、グラウンド内外で放つ存在感は絶大だった。
来年9月には35歳を迎えるも、「僕的にはまだそこまで(身体面の)変化を感じていない。行けるところまで突っ走れるように」と衰えとは無縁。中4日、5日も苦にしない鉄腕右腕が、来季もさらなる進化を見据えている。
写真=BBM