
首脳陣の一言で力強い直球をゾーンに投げこむことを意識。侍ジャパンの強化試合で成果を発揮した
一躍その名が全国の野球ファンに知れ渡ったのが、2月28日の侍ジャパンと
中日の強化試合(バンテ
リン)だった。同23日にサポートメンバーとして追加招集が発表されていた左腕は、3四球こそ与えたが2回を無安打無失点と快投。自己最速を更新する153キロを計測するなど躍動の投球を披露した。
「ゾーンで勝負できて、打ち取ったりもできたので。教えていただいたことに気がつかなかったら、変なふうになっていたかもしれない」
この“教えていただいたこと”とは、春季キャンプ中のある出来事に起因する。「インコースとアウトコースをしっかり投げ分けられないと、勝てないんじゃないか……?」。オフに自らを省み、出力は控えめにコースを丁寧に突く投球をブルペンで練習していたところだった。
厚澤和幸コーチ、
平野佳寿兼任コーチら投手コーチ4人が集結し、「意図は分かるけど、まだ早い」と諭されたのだ。
「“東松の武器は真っすぐをゾーンで押していくことで、コースを突いて打ち取るタイプじゃないでしょ”と。“まだ20歳で、小さく収まってほしくない”みたいに言ってもらった」
首脳陣の一言で原点に帰り、ゾーンに力強い直球を投げ込む意識を徹底。成果を発揮した侍ジャパンでの一戦に、
岸田護監督も「思い切って勝負できたところがよかった。ええピッチングでした」と自ら名を挙げて称賛した。高卒3年目、狙うは開幕ローテーション入り。若々しく、がむしゃらに、し烈な先発争いへと殴り込みをかける。
写真=BBM