新境地で、これ以上ない好スタートを切った。
昨季まで全登板中継ぎだった栗林良吏は今季から先発に転向。自身が登板した2試合で勝利に導くなど、スタートにつまずいたチームで孤軍奮闘の働きを見せた。
開幕3戦目の3月29日
中日戦。本拠地のまっさらなマウンドに上がると、先発仕様に様変わりした投球を披露した。
直球を中心に押すのではなく、変化球を巧みに使った。広島の先発右腕が得意とする左打者の外角カットボールでカウントを取り、フォークも決め球としてだけでなく、カウント球にも使った。
新たに習得したスライダーで空振り三振も奪った。7回まで1人の走者も出さず、8回に先頭・
細川成也の中前打で大記録を逃しても「何年も先発している投手だったら、ガックリくるところだったかもしれないですけど、僕は初登板。そこに対する思いは別になかった」とすぐに切り替えられた。
セットポジションとなっても崩れることなく、最後まで中日打線を封じた。“準完全”という華々しいデビューとなった。
登板2試合目の相手は
阪神だった。3連勝と勢いに乗る昨季の王者にも強気な投球を貫いた。8回まで100球を投げ、無四球。
1点リードの8回に先発として初失点を許すも、逆転は阻止した。降板後にチームがサヨナラ勝利を収めた。
自身に勝ち星は付かなかったものの「前回の勝ちよりも、今日の勝ちのほうが価値のある勝ちだったと思いますし、自分の中でもすごくうれしい」と胸を張る姿に、先発としてのプライドが感じられた。
写真=井沢雄一郎